料理における浸透圧の仕組みと効果【すごく重要】

料理

今回は料理に活用される浸透圧の仕組みと効果について解説していこうと思います

学生の時の化学の授業を思い出してしまうようなテーマですが、これが料理にとってもすごく重要なんです

料理人はこの浸透圧を利用して様々な料理を作り上げていきます

そして家庭料理でも知らず知らずのうちに使っていることも・・・

この浸透圧の力を使いこなす事が出来ればさらに美味しい料理が作れるはずです

記事の筆者

・都内の有名フレンチレストランやミシュラン星付きフレンチレストランなどのキッチンスタッフとして経験を積む

・多くのフレンチレストランでの研修多数

・シェフとしてキッチンに立ち料理やデザートを提供する

浸透圧の理解を深めて料理をレベルアップさせましょう!

浸透圧について

浸透圧、学生時代勉強が大嫌いだった僕が化学用語のようなこの言葉を聞くと頭が痛くなりそうですが、実は料理をする上ですごく重要な事なんです

料理に必要と聞くと頭にすんなり入っていくこの不思議

浸透圧について説明させて頂きますと

水が浸透していく力=浸透圧

というように濃度を一定に保とうとする力で、水分が濃度の薄い方から濃い方へ移動する圧力の事を言います

例えば肉や魚、野菜などの食材に塩を振ると食材から水分が少しずつにじみ出て来ます

これは塩分濃度の薄い方から濃い方へ水が移動していくという作用が起こり、食材の水分が塩の方に移動して濃度を保とうとしているという事です

食材の内側よりも外側の塩分濃度の方が高い事から起こる力です



浸透圧による脱水作用

説明した通り塩を振ることで食材から水分が出て来ます

つまり食材の水分が脱水されるということになります

この塩を振って脱水させることのメリットは

・魚や肉の臭みをとる
・保存性を上げる

料理人の中には魚や肉に塩を振ってしばらく置いとく人もいます

これは食材の水分を抜くと同時に臭みも同時にとってしまおうという考えのもと行われています

出てきた水分をペーパーでしっかり拭き取ってから焼く事が多いです

 

さらに塩を大量にまぶしてしっかり脱水させることで保存性を上げる事が出来ます

これは水分が抜けることで菌の増殖を防いで長持ちさせる事ができるようになります

生ハムやアンチョビ、塩辛などが長持ちするのはしっかり脱水されて菌が繁殖しないというのが理由の1つです

水分が少なければ少ないほど食材は長持ちします

ヒロ
ヒロ

菌は水分があるところで活発に活動して食材を腐敗させていくんだよ!

これは浸透圧ではありませんが、水分がないということで乾物も長持ちしますよね

このように水分を抜くことで食材を長持ちさせることが出来ます

 

逆にサラダは塩を振って時間が経つと脱水されて、しなしなになってしまいシャキッと感もなくなり見た目も悪くなってしまいます

必ずしも浸透圧を使う事が良い作用を生むとは限りません

塩を振るタイミングや、目的に応じて使い分けることが大切です

浸透圧による吸水作用

これまでは浸透圧の脱水について書いて来ましたが、逆に吸水させることも出来ます

生の野菜を水に浸すと浸透圧の作用で、野菜の中に水が入り込んでいってシャキッとさせる事ができます

これは野菜の中に有機酸色素などが含まれているため、これらに反応して水分が濃度の濃い方へ入り込むということになります

ヒロ
ヒロ

浸透圧は塩だけではなく、砂糖やお酢などの調味料や、有機酸や色素の分子などでも作用するんだよ!

なのでパリッとしていて、噛むとシャキシャキしたサラダが食べたい時は、一度水に浸してしっかり水を切ってから食べると、美味しいサラダになります



浸透圧を利用した便利アイテム

浸透圧を利用して脱水させるには塩などを使いますが、どうしても塩味などが入り込んでしまいます

しかし誰でも簡単に、調味料も使わずに脱水させることができる便利アイテムがあります

それがこちら

僕は主に魚の脱水に使うのですが

魚の水分や生臭みをとってくれて、うま味だけ魚に残すので味が凝縮されて濃くなります

熟成された魚に近くなり、本当にこれだけで美味しくなります

これを使えば家庭に並べる料理もかなりプロの味に近づくと思います

脱水させた食材を加熱しても良いと思いますし、鮮度が良い魚でしたら生で食べても良い!

浸透圧を使ってプロの味に近づけた料理を楽しんでみてはいかがでしょうか?

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